2023/09/18 00:00

第31回神保町ブックフェスティバル開催!

秋の吉例! 本の街の本まつり
第31回 本の街 神保町ブックフェスティバル

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日時
2023年10月28日(土)10:00~18:00
10月29日(日)10:00~18:00
*「こどもの本ひろば」は両日とも17:00閉場
第63回 東京名物神田古本まつり協賛 10月27日(金)~11月3日(金・祝)

会場
神田すずらん通り、さくら通り、神保町三井ビルディング公開空地

本の得々市

お楽しみワゴンセール
謝恩価格本、掘り出し物がいっぱい!この機会をお見逃しなく!
すずらん通り 10:00~18:00

第31回神保町ブックフェスティバル参加出版社

■すずらん通り協賛出版社
亜紀書房/朝倉書店/飛鳥新社/アスク出版/いかだ社/140B/岩波書店/エー・ピー・ピーカンパニー/戎光祥出版/絵本館/MHM/オーム社/大空出版/奥野かるた店/おばけ友の会/音楽之友社/化学同人/柏書房/河出書房新社/カンゼン/汲古書院/求龍堂/京都新聞企画事業/錦正社/クオン/クレヨンハウス/芸術新聞社/ケンエレブックス/幻戯書房/玄光社/好学社/工作舎/皓星社/光文社/弘文堂/国書刊行会/国文の会/子どもの未来社/朔北社/酒とつまみ社/左右社/三省堂/三善/サンライズ出版/CQ出版社/信濃毎日新聞社/清水書院/集英社/寿郎社/春秋社/尚学社/小学館集英社プロダクション/祥伝社/晶文社/女子パウロ会/書信館出版/而立書房/シルバーバック/シンコーミュージック・エンタテイメント/(株)新読書社/森話社/駿河台出版社/生活の医療社/青弓社/青幻舎/誠文堂新光社/青土社/全国農村教育協会/ソルフレア/創元社/大修館書店/大日本絵画/竹尾/タバブックス/食べもの通信社/玉川大学出版部/淡交社/中央経済社グループパブリッシング/中央公論美術出版/千代田区役所/帝国書院/電気書院/デコ/東海大学出版会/東京キララ社/東京書籍/東京新聞/Tokyo Scope Books/東京創元社/東京大学出版会/東京都書店商業組合青年部/東京都書店商業組合目黒世田谷支部清風会/東京美術/東京堂出版/同文舘出版/東洋館出版社/トランスビュー/永岡書店/ナツメ社/ナナロク社/西日本出版社/日本加除出版/日本実業出版社/農文協・農業書センター/風鳴社/フォリオス/白水社/羽鳥書店/早川書房/万来舎/ブルーシープ/プレスアート/文学通信/平凡社/ベレ出版/勉誠社/便利堂ギャラリーオフィス東京/方丈社/法蔵館/北隆館/ほぼ日/堀之内出版/本の雑誌社/マール社/丸善出版/丸善雄松堂/明治書院/八木書店/八坂書房/山と渓谷社/雄山閣/有斐閣/ゆまに書房/吉川弘文館/よはく舎/ライツ社/レインボー通商/(8月末現在)

■子どもの本ひろば協賛出版社(神保町三井ビルディング公開空地)
あかね書房/岩崎書店/岩崎書店絵本の家事業部/仮説社/金の星社/くもん出版/国土社/小峰書店/小学館/鈴木出版/PHP研究所/ひさかたチャイルド/評論社/フレーベル館/文研出版/ポプラ社/ほるぷ出版/理論社(8月末現在50音順)

第31回神保町ブックフェスティバル 共催/東京都書店商業組合千代田支部
紀伊國屋書店(大手町ビル店)/農文協農業書センター/D&Jビジネスサポート芳千堂/至誠堂書店/島田書店/十字屋書店/廣文館書店/姉川書店/邦光堂/東方書店/内山書店/巌翠堂書店/法務図書センター弁護士会館ブックセンター

EVENT SCHEDULE
第31回 神保町ブックフェスティバル イベントスケジュール

10月28日(土)

♪お茶の水小学校「マーチングバンド」
●出演:千代田区立お茶の水小学校の皆さん
●11:00~11:30 ●会場:さくら通り中央特設会場

♪共立女子大学「吹奏楽コンサート」
●出演:共立女子大学 吹奏楽団の皆さん
●12:30~13:00 ●会場:さくら通り中央特設会場
●共立女子大 地域応援ゆるキャラ 「じんぼうチョウ」も応援にきます。

第18回ちよだ文学賞授賞式
●13:30~14:30 ●会場:さくら通り・住友商事神保町ビルエントランス
■主催:千代田区 

♪「救世軍ブリティッシュブラス」コンサート
●出演:救世軍ジャパンスタッフバンド
●会場:救世軍本営前 ●日時:10月28日(土)13:30~14:00

神保町よしもと漫才劇場「爆笑!お笑いライブinブックフェスティバル」
●出演:ネイチャーバーガー/ミカボ/太鵬
●10月28日(土) 14:30~15:00 
●会場:さくら通り中央特設会場
●神保町よしもと漫才劇場メンバーがブックフェスを盛り上げます!是非お立ち寄りください!

10月29日(日)

♪神田一橋中学校「和太鼓演技」
●出演:千代田区立神田一橋中学校和太鼓部の皆さん
●11:00~11:30 ●会場:さくら通り中央特設会場   

♪共立女子大学フラ部 「フラ(フラダンス)」
●出演:共立女子大学フラ部の皆さん
●12:30~13:00 ●会場:さくら通り中央特設会場

神保町よしもと漫才劇場「爆笑!お笑いライブinブックフェスティバル」
●出演:ナイチンゲールダンス/ブラゴーリ/金魚番長
●10月29日(日) 14:00~14:30
●会場:さくら通り中央特設会場
●神保町よしもと漫才劇場メンバーがブックフェスを盛り上げます!是非お立ち寄りください!

ジャイアント馬場 16文キックの伝説 刊行記念トークショー
~渕正信が語るジャイアント馬場とその時代~
◆日時:10月29日(日)14:00~15:30(開場:13:30) 
◆会場:出版クラブビル4階
◆入場無料 
◆参加申し込み:東京新聞オフィシャルショップにて「ジャイアント馬場 16文キックの伝説」をご購入いただいた方先着100名に、トークショーの当日会場参加券を差し上げます。
◆締切:10月22日(日)
※オンライン視聴もございます。
※詳細は「東京新聞オフィシャルショップ」ホームページをご確認ください。
◆お問い合わせ:東京新聞オフィシャルショップ 電話03-6910-2542(平日10:00~17:00)

本の学校2023 ブレストミーティング~本の価値、読書の魅力~
本の学校では「本との出会いを創り、育む/知の地域づくり」を指針に、セミナーやシンポジウムを開催しています。
2023年秋は、昨年好評だったミーティング形式で、本の価値と魅力を考えます。
■10月29日(日)13:00~17:40(交流会18:30~20:30)
■会場:専修大学神田キャンパス10号館(千代田区神田神保町3-4-4) 
●分科会
第1分科会(13:00-14:20):本のある場所の価値① テーマのある書店
第2分科会(13:00-14:20):本の魅力を伝える① 若者の読書と読書推進(仮)
第3分科会(14:40-16:00):本のある場所の価値② 図書館は地域に何をもたらすか(仮)
第4分科会(14:40-16:00):本の魅力を伝える② 読書“体験”を育てる活動
●全体会 分科会報告とラップアップ(16:20-17:40)
■主催:特定非営利活動法人 本の学校
■後援:日本書籍出版協会、日本雑誌協会、日本書店商業組合連合会、書店新風会、出版文化産業振興財団、版元ドットコム、
日本出版学会、日本図書館協会、専修大学文学部
■どなたでもご参加いただけます。参加費ほか詳細、お申し込みはこちらまで
https://www.honnogakko.or.jp/

◎こどもの本ひろば

「絵本・児童書ワゴンセール」有名な出版社が勢ぞろい!
●10月28日(土)10:00~17:00  10月29日(日)10:00~17:00
●会場:神保町三井ビルディング公開空地

「紙すき体験」 主催:集英社 協力:公益財団法人 紙の博物館
人気の紙すき体験がやってくる。集英社のマンガキャラクターたちもスタンドPOPで応援!
●10月28日(土)・29日(日) 各 1回目11:00~12:30 2回目14:00~15:30 
●会場:神保町三井ビルディング公開空地内  ■参加無料(1回につき先着100名様) 

「世界史探偵コナン」シールラリー 主催:小学館
こどもの本ひろばのポイントを全部回ったら景品プレゼント!
スタート地点で「世界史探偵コナン」の台紙をもらってシールラリーをはじめよう!
●10月28日(土)29日(日) 各10:00~15:00
●会場:神保町三井ビルディング公開空地内
■参加無料 (小学生以下が対象です)

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©青山剛昌・小学館2020

神保町応援ゆるキャラ「じんぼうチョウ」出演
●10月28日(土) ●11:30~16:00(時間内不定期)
●共立女子大学 家政学部 建築・デザイン学科の学生さんが製作しました!
こどもの本ひろばにも応援にくるよ-。

《あおぞらステージ》

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『親子でフラメンコ』
歌と踊り。本場のフラメンコを身近に体験できます。
●出演:神保町フラメンコの会
●会場:神保町三井ビルディング 公開空地「あおぞらステージ」
●10月28日(土) 1回目12:30~13:00、2回目14:30~15:00
■参加無料

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『たゆたうとぱくぱくのおはなしおんがく会』
絵本の読み聞かせと、即興音楽のコラボ!
●出演:たゆたう&ぱくぱく
●会場:神保町三井ビルディング 公開空地「あおぞらステージ」
●10月29日(日) 11:00~11:30、13:00~13:30
■参加無料

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『さおりんのおはなしdeショー☆』
紙芝居と絵本と歌。みんなのおはなし会!
●出演:西原さおり
●会場:神保町三井ビルディング 公開空地「あおぞらステージ」
●10月28日(土)14:00~14:30
10月29日(日)14:00~14:30
■参加無料

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『ねぎかぉ参加型おはなし会』
子どもも大人も抱腹絶倒!みんなの参加型おはなし会
●出演:ねぎかぉ
●会場:神保町三井ビルディング 公開空地「あおぞらステージ」
●10月28日(土) 13:00~13:30、15:00~15:30
10月29日(日) 12:00~12:30
■参加無料

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『絵本の国で大冒険!』
小さいお友だち集まれ!リトミックで踊って遊んじゃおう♪
●出演:絵本の国の音あそび
●会場:神保町三井ビルディング 公開空地「あおぞらステージ」
●10月28日(土) 12:00~12:30
■参加無料

ちよだ音楽連合会Presents
“こどものためのJAZZライブ”
●10月29日(日) ●会場:神保町三井ビルディング1F「屋内ステージ」 ■入場無料
●第1回11:30~12:00 (出演)Gleam Wisteria Ensemble
●第2回12:30~13:00 (出演)ピアノ 秦野 萌
●第3回13:30~14:00 (出演)奥田“スインギー”英人 + M&K

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奥田“スインギー”英人

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Gleam Wisteria Ensemble

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秦野 萌

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MERI M&K

●イベントは雨天中止となります。
●イベントの内容・時間等は、都合により変更になる場合があります。
●交通機関: JR 御茶ノ水駅・水道橋駅東京メトロ千代田線新御茶ノ水駅・
半蔵門線神保町駅都営地下鉄新宿線・三田線神保町駅下車徒歩30秒
●お問合せ:神保町ブックフェスティバル実行委員会事務局東京都神田神保町1-17 (東京堂内)
TEL: 03-3291 -5185 (月~金10時~ 17時)

主催:神保町ブックフェスティバル実行委員会

共催:東京都書店商業組合千代田支部、日本児童図書出版協会
神田すずらん通り商店街振興組合、神保町さくら通り実業会、神保町三井ビルディング管理組合

協賛:本の街・神保町を元気にする会、神田古書店連盟、
出版文化産業振興財団、文字・活字文化推進機構、
千代田区商店街連合会、 千代田区商店街振興組合連合会
文化産業信用組合、神田本の音色の会、神保町一丁目町会、

後援:東京都千代田区、千代田区教育委員会、東京都書店商業組合、
東京商工会議所千代田支部、千代田区観光協会、東京新聞

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2023/09/12 23:56

「ようこそ本の街、神保町へ!」 No.20 無用之用

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一見無用に思えるものこそ本質的な価値がある”。その昔中国の哲学者、老子が残した言葉だ。それをそのまま店名にした無用之用。取材に応じてくれたのは店主の片山淳之介氏(43)。開業はコロナ下の20206月、すずらん通りに店を構え、その後いったん閉店するもつい先月の20238月新たに近くの移転先(神保町1-21-2一和多ビル2F)でオープンしたばかり。入口は表通りの裏側にあるが、ビルの2階に上がると奥行のある店内には大きなカンター席と本棚がならんでいる。片山氏は以前デザインの仕事をしていたそうでそのセンスを感じさせる街なかのオアシスのような落ち着いた雰囲気のブックカフェだ。窓越しからは神保町の書店街のランドマーク的存在で現在建て替え中の三省堂書店跡地が見える。もともと神保町という街が好きだったという片山氏。「ここで過ごす人、住んでいる人、訪ねてくる人、みんな黙っているけれども話してみると何かしらのマニアで、たとえばマンホールに詳しい、地図や地形に詳しい、郷土料理や日本中の方言に詳しい人などなど。何かしらに興味をもっていても、それをひけらかさない、そういう面白い人が神保町に集まるんです」と語る。店を訪れる年齢層は20代前半の大学生から70代くらいまで。X(旧Twitter)やインスタといったSNSを見てくる人が多いが、“無用之用”という店の屋号が気になってくる人も。コロナ以前のように人が戻ってきているという感触は確かにあって外国人や若い人、とくに女性が多くなった気がする、と語る。「昭和レトロがブームでSNSを見て行列ができているが、わかりやすく噛み砕く必要はなくて、初めてくるお店でも怖がらず、構えないでのぞきに来てほしい」店内の本棚は一般的な書店とちがった特徴がある。「感覚的なテーマがあって半分くらいお客さんがいっしょに考えてくれています。」本棚を見ると例えば“視点をデザインする”、“探さなくとも遊びはすぐ近くにあります”、 “知ってる事も、蓋を開ければほとんど知らない事だらけです”・・といった一見、あれ何だろう?とそこにある本を思わず手にとってみたくなるようなリストが並んでいる。エッセイだけを読みに来たつもりが気づけば違うジャンルの本にも手を伸ばしている・・そんな新しい本との出会いをつくるユニークな棚づくりがそこにあった。さらに片山氏は続ける、「必要なものは変えていっても、来てもらうために変えるのではなく、もともとある面白さ、魅力をわかりやすく伝えて本好きな人はもちろん、本を読まない人でも面白い街なんだと思ってもらえたらいいですね。」

IMG_6358.jpg普段の営業時間は平日夜8時くらい迄で、金曜、土曜は10時くらい迄。話が遅くまで盛り上がっているなと思ったら、まだいいですよ、と午前0時までやっていることも。店に来る客のなかには開店から閉店(途中で美容院に行って中抜け)までいる人もいるそうだ。そうかと思えば出版や印刷関係の会社に勤めている客もいて普段はお互いの素性も明かさず、名刺交換もないなかで、いつの間にか話が盛り上がり仕事でつながるようなこともあるのだとか。

「本屋でも飲食店でも若い人たちにお店の人ともっとしゃべってもらいたいと思います。こんにちは、だけでなくてお店のメニューことを聞いてみたり、ひと言ふた言でも会話をするだけでいい、ただ頼んでお金を払って食べて帰るだけでなくなります。しゃべって楽しんでもらうことで来てよかったなという思い出、経験になるんです」と片山氏。老舗の書店が立ち並ぶなか、無用之用はユニークな発想で新しい書店のひとつのかたちを描いているように感じた。本の向こうにある人との出会い、そんなきっかけを創ってくれる書店だ。

 

最後に一言

子供の頃の砂場あそびみたいに、見ず知らずの間だった人が自然にふれあっている、

そういう場所にしたいです。

 

・・・無用之用、片山さんありがとうございました!

 

 

取材日 2023.9.5 ライター:みずも

 

2023/08/14 16:05

「ようこそ本の街、神保町へ!」 No.19 南海堂書店

今回紹介するのは靖国通り表通り沿いにあるレンガづくりの建物の店舗が目を引く南海堂書店。取材に応じてくれたのは3代目の市田哲氏(52歳)。創業は兵庫県出身の祖父の武夫氏で昭和IMG_6043.jpg21年に法人経営になったという。同店は歴史(日本史、東洋史、西洋史)を軸に、社会学、哲学、法律など社会科学の学術研究書を扱っている。神保町の書店が専門分野化するなか先代の頃からとりわけ西洋史に力を入れるようになったと市田氏は語る。主な客層は大学教授、院生などの歴史研究者。学会などが東京で催されるとその足で遠方から訪ねてくる教授もいるそうだ。店内の本棚に目をやるとアカデミックな雰囲気が漂い、西洋史の棚にはアメリカ関係、イギリス関係など国ごとの書籍がならんでいる。温故知新、歴史は大人が学ぶべき教養のひとつといえる。今の若者世代を中心に受け入れられているポップカルチャーとは一線を画すように神保町の書店街の特徴はこうした重厚な内容の書籍を扱う書店も多くあり、実にいろいろなジャンルの本がとり揃うところだと思う。そしてそれを支えているのは言うまでもなく個々の書店であり書店人たちだ。最近神田古本まつりが再開し、人がまた集まってくる良い機会になっているが、それも回数だけ増やせばいいのか、情報がネット化されるなか神保町ブランドも昔ほどではないがまだまだ発掘できる魅力的なものは埋まっていると市田氏。同店も日本の古本屋のサイトにIMG_6040.jpg出店しているが、店舗に訪れる客がそちらに置き換わる感じで全体的にはまだ変わらないといった印象という。発信するということにこれからますます目を向けつつ外からの意見もとり入れていきたいと次の世代に襷をつなぐべく取り組んでいる姿を感じる。これまで神保町の書店の取材をしていると店主が50代というところが少なくない。筆者も実家が書店だった同世代(そろそろ60が迫ってきた)としておさんぽ神保町の記事を通じてエールを送り続けていきたいと思っている。取材のおわりに店内の写真撮影をお願いすると、みんな撮っていくんですよと、と市田氏が指さした店の真ん中には知己の京都の住職が彫ったという大きな達磨像(写真)が。達磨は昔から願いごとを叶える縁起のいい置物を言われているが、まさに店全体を見守っているようなフィット感があった。教科書にはない、少し難しそうな本の数々。敷居は高そうだが先人たちの残した文献のなかには未来のヒントが隠されているのかも。歴史を学び直し、知の探究をしたいという方、是非同店を訪ねてみては。

 

最後に一言

 

神保町でも西洋史を主に扱っている書店は少ないのでご覧ください。

 

・・・南海堂書店、市田さんありがとうございました!

 

 

取材日 2023.8.7 ライター:みずも

 

2023/08/12 09:37

この秋4年ぶりに神保町ツアーを再開します

この秋に4年ぶりに神保町ツアーを再開します。
奮ってご参加ください。

※最新の空き状況は詳細ページよりご確認ください。

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~関東大震災から100年~『神保町レトロ建築さんぽ2023』

詳細 https://helloaini.com/travels/4826?prcd=xWgL

9月23日(土)
10月21日(土)
11月18日(土)

学士会館でランチ、今回特別に会館スタッフによる館内ツアーも体験できます。

 

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『夕暮れの神保町路地裏さんぽ』

詳細 https://helloaini.com/travels/5907?prcd=xWgL

9月16日(土)16:00
11月25日(土)15:00

2時間程度を予定。ツアー後、希望者は梅の湯に入れます。また希望で路地裏の店で飲めます。

2023/07/11 18:53

「ようこそ本の街、神保町へ!」 No.18 内山書店

「ようこそ本の街、神保町へ!」 No.18 内山書店 

 神保町に百年以上の歴史をもち日中友好の懸け橋となった書店がある。街の目抜き通りでもあるすずらん通りのほぼ中央にある内山書店がそうだ。取材に応じてくれたのは営業部課長の高橋美千代さん。写真は現社長の内山深さん(51)。その創業は1917年、中国・上海で目薬の行商していた内山完造氏が妻の美喜氏と共に自宅玄関先で日本から本を取り寄せて現地の日本人に売っていたのが始まり。後に上海で随一の日本書店に成長、1935年には完造氏の弟の嘉吉氏が東京の世田谷で中国から書籍を取りよせて中国専門書店を開く。その後1968年に学生が多いここ神田神保町に移転。1Fは中国の語学、歴史、政治、経済、現代文学、旅行・地図など、2Fは中国の古典文学、芸術、武術CD/DVDほかタイ、インドネシア、ヴェトナム、韓国、インドなどのアジア諸国に関する書籍、3Fは中国・アジアの古書が置かれている。主な顧客は中国関係の研究者、それを専攻している学生で大学、図書館関係者だという。また中国からは政治的にセンシティブなものなど自分の国で手に入りにくい書籍も研究目的で探して購入している人もいるという。中国に企業が進出していることにともなってビジネス書の需要もある。更に近年はアジアカルチャーに興味のある人が増えてきているのだそうだ。店内の書棚には中国の書籍の日本語版、日本の書籍の中国語版がならぶ。中国でも日本コミック、小説、SF、ミステリーなどのコンテンツは人気がある。高橋氏に今の売れ筋を聞くと、輸入書でもやわらかなもの、コミック類、現代小説という回答が。中国でもメディアミックスが流行っていて小説をコミカライズしたりドラマ化して若い人向けにコンテンツ化している。日本で中華系のドラマを見てファンになった人が原書にチャレンジしている姿もあるのだという。

「ようこそ本の街、神保町へ!」 No.18 内山書店

中国でも有名な書店

今年の春頃からコロナでしばらく足が遠のいていた中国からの客も増えていると高橋氏。内山書店はその名が教科書に出ているくらい中国でも有名な書店だ。内山完造氏は日中文化人と交流を持っていたとされているが中国文学界に大きな足跡を残した作家である魯迅と親交があったことも大きい。当時の軍閥政府に目をつけられ、上海に逃れていた魯迅が内山書店を訪れていたことから関係が深まっていった。中国からの旅行者が日本に来たら内山書店に来てみたかったという記念来店も多いそうだ。人通りの多いすずらん通りに店をかまえ、ショーウィンドーをみながら中国のことと関係なくふらっと訪れる人もいる。こうした書店があるのだということを知ってもらうとともに神保町をもっと面白い街だな、と思えるようアピールできれば、と最後に内山社長が語ってくれた。

 

内山書店、内山さん、高橋さん、ありがとうございました!

 

取材日 2023.7.4 ライター:みずも