2017/10/07 08:11

北沢書店―洋書専門古書店

1.jpg

靖国通りにひときわ目を引くギリシャ神殿のような大理石の建物があります。 一階は今年の5月5日にオープンした子供の本専門店ブックハウスカフェがありますが、2階は洋書専門の古書店北沢書店です。 北沢書店は、明治35年に創業し、今年で115年を向かえました。 創業から100年以上続いている書店の北沢書店に行ってみることにしました。 神保町交差点を割った手、専大通り交差点にむかった、靖国通りを進みます。 神保町交差点を少し行くと、神田古書センターがありました。

2.jpg

ここに昔、神保町交差点から駿河台下に向かってあった11軒長屋のような建物が建っていて、北沢書店の支店がその1つに入っていたそうです。 当時は、長屋の1つに家族と店員が一緒に暮していて、家族でお店を切り盛りしていたそうです。 その神田古書センターを通過して靖国通りを先に進むと北沢書店がありました。 北沢書店は、創業時は国文学を取り扱っていました。

3.jpg

昨年の古本まつりで、神保町を爆撃の危機から救ったと言われているロシアの日本学者セルゲイ・エリセーエフについての映画「ウォーナーの謎のリスト」を観に行きました。 日本の文化に興味を持ち日本に留学したセルゲイ・エリセーエフはその当時の北沢書店を訪れたそうです。 戦後再び北沢書店を訪れ、その時の写真が放映されていました。 戦後の1955年から。北沢書店は、2代目の龍太郎さんが大学助教授(英文学)だったことから、洋書の学術書の専門の書店になります。 戦後、英語教育が盛んになり、海外の書物についての関心も深まり、洋書が広く日本の大学生や研究者等に読まれるようになりました。 3代目の一郎さんの時代に北沢書店は、洋書の英文学や哲学、歴史美術などを専門の書店として、現在の建物を建てます。

4.jpg

本の街神保町に欧米の書店に匹敵するような立派な書店ができました。 当初は、2階は古書店の他1階は新刊書店でしたが、現在では2階の古書店のみです。 北沢書店の建物の中に入ると1階に螺旋階段があり、壁にソクラテスとプラトンの絵が飾ってありました。 2階に上がると、第一通路に、英米文学作品や小説が棚ざしされていて、シャーロックホームズ等のペーパーパックが平積みになっていました。 第二通路はシェイクスピアや演芸等、第三通路は西洋史英国史や思想等で、左端の通路は日本文化を中心とする東洋の英文の本が並んでいます。

5.jpg

ネットの時代になり、本はネットで買えるようになりましたが、同時に日本の文化が海外に流され、かつてのセルゲイ・エリセーエフのように日本に対して関心を持つ外国人が多く日本に訪れるようになりました。 近年、日本文化に関心を持つ外国人が、日本文化の洋書を買っていくようになったそうです。

 

島田 敏樹

2017/10/01 08:17

おさんぽ神保町24号配布

1.jpg

おさんぽ神保町24号の印刷が上がってきたので、おさんぽ神保町の設置を書店・商店中心に、お願いして回りました。 駿河台下を靖国通り沿いにスタッフの方と3人で、台車におさんぽ神保町を乗せて回ります。 、 おさんぽ神保町24号の表紙は、神保町女子のOLのコハル子さんが、外国の方と洋書の古書店の本棚で本を探しているところです。 設置のお願いに靖国通りを回っているとすごい行列ができていました。できたばかりのラーメン屋の蘭州拉麺に並んでいるのです。靖国通りを先に進みました。

2.jpg

おさんぽ神保町24号の特集は「神保町100年書店」です。 創業から100年経った書店と取材させて頂いたお店と、店主さんのイラストとお話しが書かれていました。 店主さんのお話しは、私も聞かせて頂きました。 明治維新後、神保町界隈にあった大名侍屋敷に、大学が建てられました。大学の学生が大学で勉強するのに欠かせない教科書・専門書を販売するため、神保町に出版社、印刷会社、書店ができてきます。 当時の印刷は活版印刷、増え続ける学生の数に追いつかず、新書をリサイクルする古書店の数が神保町に増え続けました。 靖国通りを歩いて、神保町交差点に着きます。神保町交差点を白山通りを曲り、白山通り側のすずらん通り入口を曲り、すずらん通りの商店古書店に設置をお願いして回ります。

3.jpg

印刷会社の印刷技術がしだいに向上し、学生に新書がいきわたるようになり、古書店が取り扱う本は、学生が勉強する専門書から、古典籍などが取り扱われるようになり、国文、美術書、洋書、等専門分野に古書店が分かれていきます。 100年の間、100年書店の書店員さんたちは時代時代に棚に並べている本を変えながら続けてこられたのだな と感じました。 ネットの時代になり、家で寝っころがっていても欲しい本が買える時代になりました。それはそれで便利ですが、 本の街神保町に行き、いろんな種類の書店を見て回り、棚に並べてある書店員さんたちのお勧めの本と出合うことも、世界が広がって行くことになります。 おさんぽ神保町24号の配布が終わり、すずらん通りの空を見上げると、綺麗な夕焼けでした。

4.jpg  

快く設置にご協力してくださいました神保町の古書店、書店、飲食店、商店等の皆さんありがとうございました。

 

島田 敏樹