2017/11/02 08:06
第58回神田古本まつり
10月27日から、神田古本まつりが始まりましたが、連日の雨・台風て、土日は中止になりました。 昨日月曜日から、晴れたので、夜行ってみました。 駿河台下の靖国通りを、ワゴンを覗きながら、歩いて行きます。 ワゴンにつるされた裸電球は昭和の家庭のお茶の間の電球を思い出させて、風情がありました。 裸電球は、駿河台下から専大通りまで並ぶワゴンの上から、本を照らします。 駿河台下の三省堂の前を通り、浮世絵の版画の飾ってある大屋書房の前を通り、レオマスカラヤの隣りは、できたばかりのラーメン屋の蘭州拉麺。
昼間はすごく行列がでしたが、夜はひっそりとしていました。 靖国通りを先に進みます。 書泉グランデと小宮山書店の間の道路を超えて、進むと 11連長屋の形が残った2連の建物がありました。 その建物の1つは本と街の案内所でした。 現在では、本と街の案内所は、すずらん通りの小学館ギャラリーの中に、移りました。 先に進むと神保町交差点に出ます。
神保町交差点の岩波ホール前には、古本まつりの赤い看板が建っていました。 看板の下のワゴンには本が並んでいます。 本は、地下鉄神保町駅の階段の前まで続いていて、漫画も並んでいます。 岩波ホールを超えると、岩波中会場。 岩波中会場の入り口の横には、毎年立っている狸の剥製、幸せ狸がいます。狸の前に御賽銭が備えてありました。
岩波中通りの赤い看板の下で、毎年、神田古本まつりの、開会式のテープカットがおこなわれます。 岩波中通の前には案内所のテントがありました。 ワゴンを観ながら、先をどんど進でいき、専大通り近くに、ミステリーのお店があります。 そこで、棚を見ると、レイモンド・チャンドラー著の「マーロウ最後の事件」という本を見つけました。 大成功した「長いお別れ」発表した後、レイモンド・チャンドラーは、最愛の妻に先立たれ、淋しさから、酒におぼれていきます。 周囲の友人のはげましにより、書き上げた「プレイバック」で、自分に言い聞かせるように、 「強くなければ生きていけない」やさしくなければ生きる意味はない。 というハードボイルドの名セリフをマーロウに言わせ、悲しみを乗り越えます。 次の「プードルスプリング物語」の執筆途中チャンドラーが亡くなり、それがマーロウ最後の事件のはずです。 「マーロウ最後の事件」は中編の最後の事件なのでしょうか。
そうこうしているうちに、店じまいの7時になり、靖国通りのワゴンの上の裸電球が次々に消えていきました。 慌てて、専大通りから神保町交差点に戻ります。 神保町交差点を渡り、「さぼうる」に入りました。 フィリップマーロウになりきって、ライムたっぷりのギブソンのダブルを飲もうと思い、注文するとない と言われたので、マティーニを飲んで帰りました。
島田 敏樹