2022/02/12 16:06

「ようこそ本の街、神保町へ!」 No3. 羊頭書房さん

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今回の取材は羊頭書房の河野宏さん(56)。最初はネットでやっていた時期があり神保町に来たのが2000年4月。店では主にSF、ミステリー、ホラー作品、手品関係の書籍をメインに文庫、洋書も扱っている。どこか他の書店で修業してきたわけでなく自分が好きだったわかりやすいところから始めたと店の出自を語る。来るお客さんはミステリー好きな人、手品の本を探しに来たりする人や若い人たちだそうだ。エンターテイメントになるので大学や学術機関の関係者といった人は来ないが、なかには個人的な趣味で来ている人もいるのだとか。この仕事をやっていくうちにお客さんのニーズもわかってきて始めた時よりジャンルが広がっていったという。SF、ホラーが好きな人はもともと好奇心が旺盛で好きなものにとことん拘るという傾向の人が多いようだ。コアなファンのニーズをつかまえる。ニッチな商売を続けていくどの業界にも通じる原点なのかもしれない。なお店長自身は手品やらないという。このようにいろいろなジャンルの本が集まるのが神保町のひとつの魅力ではないだろうか。本棚に目を向けると一冊ずつパッケージされた洋書などもならんでいる。古本は人の手を通っているのでどうしても痛んでしまう。とくにペーパーバックはバインド(本綴じ)が弱いためパッケージは店でやっているという。

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本の街の灯をたやさない

ここに来た頃はまだ再開発もやっていなかった。周りは取次店なども多かったし、昭和の建物もたくさん建っていた、と河野さん。神保町一丁目南部地区はかつて東京大型都市再生プロジェクトとして千代田区が1990年に再開発基本計画を作成。当時借地権者、地主の複雑な権利調整を行い10年以上の歳月を経て現在の大規模オフィス、店舗、都市型住宅の街に生まれ変わったエリアで、店はその近くに隣接する。神保町に店を構えることになった理由は書店というのは駅の近くでないと人が来ないけれど、本の街、神保町だったら離れていても人が来てくれる。それに古書会館が近く、荷物の出し入れも便利だから。さらに続く、「神田古本祭りのときはやはり相乗効果があるし、とてもいいイベントだと思う。このコロナでしばらく中止されているが、日本の本をさがしに外国人の人も来ていた。実際にいろいろな本を手に取ってさわれる、今は当たり前のように感じることもいずれレアな体験になるかもしれない。」たしかに開業する古書店が少なくなっていっているという。

街の文化をまもる・・・

今後も厳しくなっていくかも知れないが、本の街の灯を絶やしたくない。そのための一助としてがんばっていきたいと慎ましく語ってくれた。

 

最後に一言

SF・ミステリーなど文庫、洋書をそろえ、手品・パズルなど特殊な趣味ものも扱っているお店です。是非お越しください。

 

羊頭書房河野さん、ありがとうございました!

 

取材日 2022.2.5 ライター:みずも