豆本カーニバル、行列ができる=東京古書会館 |
||
2010年 10月 14日by 竹内みちまろ | ||
コメント:0 トラックバック:1 |
「豆本カーニバル」が、11日、東京古書会館で開催された。神田は秋晴れに恵まれ、10:30開始予定のところ、10時前から入り口外に行列ができた。なかには、日傘をさす人もおり、主催者である豆本カーニバル事務局代表田中栞(たなか・しおり)さんの合図のもと、予定を早め、10:20分開場となった。
10:30分過ぎにはいったん入場制限をし、午前中だけで600人以上が来場。17:00時点の集計速報では、800人を超える入場者となった。人気のひとつは、1回100円で一人3回までの「豆本がちゃぽん」。順番待ちの列の最後尾は、ホール外の展示ゾーンまで続いていた。カプセルは400個が用意されていたが、11:00過ぎには受付を中断、11:30分過ぎに、補充を終え、一人1回で再開した。子どもから大人まで、レバーを回す興奮と、カプセルを開ける楽しみに身を乗りだしていた。
今年6月に開催された豆本の即売会「豆本フェスタ2」では若者の来場者が多かった。今回の「豆本カーニバル」では、出展者の葉原あきよ(はばら・あきよ)さんによると、「年配の方にも多く来ていただいている」という。出展者、茶柱立太(ちゃばしら・たった)さんは、即売会では平らなテーブルが用意されることが多いが、東京古書会館の展示用ラックは斜めにディスプレイすることが可能なため、巻物状の豆本からオリジナルの妖怪フィギュアまで、たくさんの展示品を並べることができると語った。この棚は、通常は古書を並べて販売するためのものであり、区切りの縦幅が狭いものは文庫用で、広いものは上製本用である。
「豆本カーニバル」では、販売に加えて、展示も行われた。日本古書通信社で発行していた『こつう豆本』の特装版全冊をはじめ、武井武雄の趣向を凝らした小型本作品、職人の手による昭和の名作、今回の出展者たちによる限定製作作品がガラスケースに収められていた。武井武雄について語りあう二人連れの女性の姿や、特装版豆本を指さして「これを買いたいのですが」と会場係員に問いかける男性の姿が見られた。
千葉から来たという会社同僚の30代女性二人は、人の多さと、豆本の種類の豊富さに驚いていた。「豆本が一堂に会する様子を初めて見ました。作家さんもたくさんいることを知りました。作家さんごとにそれぞれの世界観があって、それぞれに表現したいことがあるのだなと思いました」と感想を語ってくれた。案内チラシをもらってやって来たという20代の女性の二人連れは、福岡と山梨から。豆本の魅力を尋ねると、「小さいことがかわいい。それに、凝っている」とほほ笑んだ。一人の方は自分でも豆本を作っており、もう一人の方は、豆本を作ったことはないが天然石のアクセサリーなどを作っている。ネットを通じて知り合った若い女性の四人連れは、出展者である赤井都(あかい・みやこ)さんのファンで、赤井さんが更新したブログ記事によって「豆本カーニバル」を知った。
「豆本カーニバル」会場では、豆本製作教室であるワークショップも併催された。赤井都さんは、講師の一人であり、テキストとして使われる、17作の豆本を切り取って製作することができる著書『そのまま豆本・はじめての手製本編』(河出書房新社)を手にし、「カバーも、表紙も、本文も切り取るとかわいくなります。豆本にするともっとかわいくなります」と、豆本をつくる楽しみを語った。赤井都さんのワークショップには、幅広い年代の方が参加し、新潟、長野、名古屋から来ていた参加者もいた。
また、竹内結子(たけうち・ゆうこ)さんのワークショップでは、参加していた中学生の女性が、「2個目すごい速い」と驚きの声をあげ、竹内結子さんの「2個目をつくっている時間は、1個目より3倍くらい速いです」の言葉を受け、うしろで見守るご両親をうれしそうに振り返っていた。
(竹内みちまろ)
豆本カーニバル事務局代表の田中栞さん、「豆本カーニバル」会場・田中栞さんブース(写真右手前)にて
行列ができる東京古書会館の前
大人気の「豆本がちゃぽん」
豆本カーニバル会場風景
特別展示:日本古書通信社で発行していた『こつう豆本』の特装版全冊
千葉から来た一般来場者の二人、豆本を手に「豆本カーニバル」の感想を語ってくれた。
ブース紹介/写真左:葉原あきよさん(サイト「オレンジ宇宙工場」)・写真右:茶柱立太さん(ブログ「茶柱模様」)
赤井都さん(写真左奥赤いスカート)のワークショップ:「赤井都さんサイト」
竹内結子さん(白い服)のワークショップ: 「とじ郎倶楽部」(竹内結子さん)