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古本まつりにさきがけ、神田で「豆本カーニバル」開催=10月11日

2010年 9月 25日by  竹内みちまろ
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 秋になると「手作り」が気になる人も多いはず。しかし、いざ作ろうとすると、新しいことには手を出しづらい。ましてそれが「本」ともなれば自分には無理、そんなふうに思ってしまう人はいないだろうか。

 東京の秋の風物詩ともいえる「神田古本まつり」が、10月27日に開幕予定となっている。それにさきがけ、古本まつりの会場の一つになっている神田小川町の「東京古書会館」で、10月11日、「豆本カーニバル」が開催予定である。主催は、豆本カーニバル事務局。当日は、40名の豆本作家による手作りの豆本作品が展示、即売され、1回100円の「豆本がちゃぽん」も設置される予定。

名称:豆本カーニバル
日時:2010年10月11日(月・祝)
時間:10:30~17:00
会場:東京古書会館・地下1階大ホール
主催:豆本カーニバル事務局(代表/田中栞さん)

 「豆本」とは、手のひらの上に収まるような小さな本のことをいう。神保町すずらん通りにある「東京堂書店ふくろう店」に常設されている豆本コーナーへ行くと、マッチ箱に入ったかわいい豆本から、開くと動物たちの誕生会の様子が飛び出すしかけ絵本や、物語が印刷されている豆本まで、バラエティーの豊富さに驚く。陳列棚に置かれている「見本・お手に取ってご覧下さい」の添え書きも、市井の人々に愛され続けた豆本にふさわしい。

 豆本の歴史は古く、社会的現象として普及、認知されたのは江戸時代といわれる。本は、それまでは主に上流階級の学術・教養のために存在していた。やがて、上方で、井原西鶴『好色一代男』にはじまる浮世草子が人気を博し、近松門左衛門の人形浄瑠璃『国性爺合戦』は読本としても出版されるようになった。

 いっぽう江戸では、菱川師宣の絵本が出版され独自の路線を見出す。赤本と呼ばれた、桃太郎などの昔話を絵付きで紹介する草双紙が発行された。贈答品にも使われた赤本は身近な存在となり、また、赤い表紙は病気から子どもを守るとも考えられていた。青年向けの黒本、女性や少年向けの青本、遊びの要素を取り入れた黄表紙など、出版界が活発化し、さらに、当時は”芥子本”などとも呼ばれた豆本が加わる。本が、広く人々に愛されるようになった。

 「女人藝術」の1928年10月号から1930年10月号に、自伝的小説「放浪記」(林芙美子)が連載された。のちに改稿されるが、その改稿版「放浪記」の冒頭すぐにも「豆本」が登場する。主人公「私」(冒頭では小学生)の「三銭の小遣いは双児美人の豆本とか、氷饅頭(まんじゅう)のようなもので消えていた」そうだ。

 そして現在、この豆本がブームを起こしている。長く愛される耐久性を備えた豆本を作るための製作教室や、豆本作りを紹介するための手引き書の発行など、啓蒙活動も盛んである。2008年には、オリジナル豆本の展示即売イベント「豆本フェスタ」が開催され、二日間の開催期間中に800人以上の来場者を集めた。さらに、今年6月の「豆本フェスタ2」では、一日だけの開催となったが、600人以上の入場者があったという。

 なぜ、豆本は人々の心をとらえるのか。「豆本カーニバル」出展者リストに記載されている豆本作家茶柱立太(ちゃばしら・たった)さんに豆本の魅力を語ってもらった。茶柱立太さんは、豆本をはじめ、「豆玩」と呼ばれる、オリジナルの妖怪や動物をモチーフにしたフィギュアなども製作している。

 茶柱立太さんは、「豆本は、まず、小さくてかわいい」という。「即売会をやっていて楽しいのは、見てくれる人の顔がみんな、にこにこしていること。小さなお子さんが、その場で声に出して読んでくれることもある」。そして、雑貨として、読み物として、工芸品として、など、楽しみ方が多様にあることを話してくれた。豆本の最大の魅力は、自分なりの豆本との接し方を見つけることができる点にあるようだ。

 「豆本カーニバル」では、豆本作品の展示販売に加え、豆本作家の赤井都さん、豆本カーニバル事務局代表の田中栞さん、手作りキットの企画・販売を行っている「とじ郎倶楽部」の竹内結子さんによるワークショップ(=豆本製作教室)が、それぞれ併催予定となっている。

 すでに豆本を作ったことがある人も、まずは豆本を見てみたいという人も、秋のこの時季、神田の「豆本カーニバル」会場へ足を運んでみてはどうだろうか。

竹内みちまろ

豆本
豆本

茶柱立太さん製作の豆本(写真手前かごの中)。ギャラリー「haru」の「てづくり展」会場にて。

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