イタリアの巨匠・オルミ監督の「楽園からの旅人」、8月公開 |
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2013年 6月 5日by 竹内みちまろ | ||
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イタリアの巨匠・オルミ監督の「楽園からの旅人」、8月公開
イタリアの巨匠エルマンノ・オルミ監督の最新映画「楽園からの旅人」(2011年=イタリア/87分)が、8月17日から岩波ホールで公開されます。イタリアのある街の教会堂での2日間を描いた作品です。
「楽園からの旅人」では、冒頭で、教会堂に工事のクレーンと作業員達がやってくる場面が映ります。老司祭は嘆きますが、クレーンで、十字架に掛けられたイエス像が降ろされます。絵画や銅像などが運び出されてしまい、教会堂は空っぽになってしまいました。祈りを捧げにくる人もほとんどいなくなっており、電気は止められるようです。
「楽園からの旅人」では、その教会堂に、アフリカから船に乗ってやって来た不法入国者たちが逃げ込んできます。即席の小さな村ができました。身重の女性が出産し、老司祭は、祝福の祈りを捧げます。
二夜に渡り繰り広げられる人々の交流が印象的な作品でした。「楽園からの旅人」という邦題に象徴されるように、、本作は、オルミ監督が提示する現代の黙示録といえるかもしれません。キリスト教に馴染みにがある人なら、色々と気づくことがあり、そうではない人でも、深く考えさせられる作品です。(竹内みちまろ)