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「爆心 長崎の空」、7月13日から岩波ホールにて

2013年 5月 30日by  竹内みちまろ
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「爆心 長崎の空」、7月13日から岩波ホールにて


 被爆地長崎の人々の生き様を描いた映画「爆心 長崎の空」の試写会が先日、都内で開催されました。7月13日から19日まで岩波ホールでプレミア特別上映されます。内容を少し、ご紹介したいと思います。

 芥川賞作家で長崎に生まれ育つ青来有一さんによる連作短篇作品集「爆心」を原作とする同映画は、原爆投下から68年がたった現代を生きる人々の人間ドラマです。急死した母からの最後の電話に出なかった後悔を吐き出せない大学生の門田清水(きよみ/北乃きい)と、一人娘を亡くした悲しみを乗り越えられず授かった新たな命を産む決心ができない高森砂織(稲森いずみ)の再生が描かれます。

 出演者の顔ぶれは豪華なのですが、個性を発揮するよりもむしろ、全員が作品に埋没して、長崎の風景に溶け込んでいるような作品でした。長崎には被爆当時の地層が見られる場所がありますが、さらに掘り進めると、キリシタン弾圧の地層に突き当たるといわれています。浦上天主堂の名で知られる浦上教会は、1945年当時は、東洋一の教会ともいわれていましたが、爆心地の至近距離にあったため8月9日に崩壊。集まっていた信徒は全員、亡くなりました。

 劇中に、300年続いたものが一発ですべて破壊された、という信徒の言葉が出てきます。清水と廣瀬勇一(柳楽優弥)が坂の上から景色を眺める場面もあります。見渡すと、長崎の街は小さく見えるとのこと。同年代の男たちが皆、長崎を出て行くことを口にする中、坂の上の団地に住み長崎大学まで自転車で通う清水の横顔から、長崎という土地に産まれ育ち、今なおそこで生き続ける市井の人々が背負っている、いうなれば、持って生まれた存在の役務とでもいえるようなものを感じる人は多いかもしれません。

 人間は、生まれる場所は自分では選ぶことができませんが、同時に、すべての人が、生まれた場所を持っています。「爆心 長崎の空」は、ストーリーと共に、スクリーンに映し出される長崎という土地の匂いや風景も感じてみてはいかがでしょうか。(竹内みちまろ

「爆心 長崎の空」
監督:日向寺太郎
製作:2013=日本
時間:98分
原作:「爆心」(青来有一)
出演:北乃きい、稲森いずみ、柳楽優弥、佐野史郎、杉本哲太、宮下順子、池脇千鶴、石橋蓮司、北条隆博、渡辺美奈代ほか
公開:7月13日から19日まで岩波ホールにて、7月20日から全国上映
岩波ホールHP:http://www.iwanami-hall.com/contents/top.html


 

 

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