編集室だより

「ようこそ本の街、神保町へ!」 No.11 明倫館書店さん

2022年 12月 1日by  みずも
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今回紹介するのは明倫館書店さん。取材に応じてくれたのは三代目店主 平尾浩一郎さん(52)。創業は祖父の幸豊さんが他者から昭和16年に譲り受けてからという。数ある神保町の書店のなかでも珍しい理工学・自然科学系の専門店。とくに数学には力を入れているのだそうだ。明倫館と聞くと昔の長州藩の藩校としてその名が歴史にあがるが、おそらく前の経営者がその関係者かも知れないですがこの分野の書籍もすでに扱っていたようです、うちは萩の明倫館とはとくに関係はないです、と平尾さん。訪れる客は大学の教授や学生、技術者など。なじみのお客さんは地方から東京に出て来たときに立ち寄ってくれるのだとか。店内を見回すと物理、化学、電気電子、機械金属、医学書など難しそうな書籍がならんでいる。その時代の必要にあわせ専門書の本棚の品ぞろえも異なる。かつての経済成長期には重厚長大産業を支える化学分野の書籍などにも力を入れ、祖父は外国語もできたので海外からの仕入れ行っていましたと語る。学部学生が使うような教科書は大学生協にあるので、店に置かれている本はより専門的なものになる。店長もやはり理系出身者なのか尋ねると、うちは祖父、父もふくめ理系出身者はいないんです、意外な応えが返ってきた。文科省の調査では現在日本の大学の入学者のうち理学、工学部への入学者の割合は17%。さらに農、医、歯、保健をあわせた理系分野の学位取得者割合は35%程だそうだが海外の割合(英国:45%、米国:38%、韓国:42%など)に比べると見劣りしてしまう。政府はこれから5~10年かけてこれを50%にすることをめざしているという報道もある。いわゆる理系脳というと、物事を論理的に考え、問題を発見する力、自ら考えて答えや対策ができる等などがあげられる。この先の見通しが読みづらい世の中を生きるのに必要な能力になってきていることに皆が気づき始めている。しかも今や理系のアドバンテージは年収にも影響する時代。おのずと子を持つ親の理系教育にも力が入ることになるのだろう。

大人の教養にも必要では・・・

かつての受験生だった私たち大人も競争を余儀なくされる勉強で数学、物理などを早々にあきらめて文系を選択した人は筆者をふくめ多くいたはずだ。しかし社会に出て一応ひと通り世の中のことも見てからあらためてもう一度教養として自由に興味のある勉強をしよう思ったときに理数系の学びもトライしてみたい。中高年は単純記憶では若者にかなわないが意味を考え理解力で勝負できると精神科医の和田秀樹氏は述べている。とは言え、いきなり難解な専門書では腰が引けてしまうので、最近では大人も楽しめる図鑑のような書籍も出ているそうで、何か手始めの一冊が見つかれば。ここ本の街神保町をぶらりと散歩していればきっとそんな本にも出会えるはずだ。つい先日、3年ぶりのブックフェスティバル&神田古本まつりが開催されたばかり。多くのお客さんも喜んでくれてお店にもいらしていただき活気が出ました、と平尾さん。今はネットで何でも揃ってしまうので店舗をかまえているのはどうなのかと思いこともあるとも話していたが、やはり軒並みに様々な書店が店をかまえ、そこに自分の好きな本をさがしに気ままに沢さんの人が集まる、そんな街の姿がこれからも続いていって欲しいと、いち神保町ファンとして思う。

最後に一言

一歩足を踏み入れてもらえばこちらの世界が見えるかもしれないので、一般の方も是非お立ち寄りください。明倫館書店平尾さん、ありがとうございました!

取材日 2022.11.26 ライター:みずも

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