編集室だより

「ようこそ本の街、神保町へ!」 No.8 東城書店さん

2022年 8月 31日by  みずも
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今回紹介するのは東城書店さん。創業は1975年。東城堅治さん(76)が同じ神保町で社会科学が専門の南海堂書店さんで6年間の住み込みの店員を経て独立開業した。取材に応じてくれたのは2代目を引継ぐべく修行中という神田古書店連盟の若手役員でもある東城ひろ子さん(35)。中国、韓国の古典籍(中国は清代以前、韓国では李朝期の本が中心)、和刻本漢籍、国書、中文書、中国関係洋装本を専門に扱っている。 顧客は国内だけでなく中国や欧米の大学図書館や教授など。発信元の中国が取引先となるのは何故か尋ねると、書籍は戦争や動乱(文化大革命など)によって流出する。中国には残っていないが日本に残っているものがあるのだという。書物の移動史についてある大学の教授によると中国の書籍(漢籍)は日本では明治後期から大正時代にかけて力をつけた財閥や新設の研究機関が美術品や漢籍な文化的価値の高い文物を海外から収集された。この時期、書物は中国から日本へと移動したとしている。丁度そのころ中国は清朝末期を迎え多くの文化財が海外に流出したという。そして現在は経済力をつけた中国に再び書籍のながれが向かっているのだそうだ。だが中国は10年くらい前まではバブルの様相でその当時は賑やかだったが、今はだいぶ落ち着いてきたと東城さん。このコロナ禍、書籍の動きにも影響がないか尋ねてみると、これまでもどうにか工面して大きく(物流に)変化はなかったそうである。開業してから目録販売で店売りをしたことはなく、専ら仕入れは東京古典会などの市場で行っている。中国にも物が送れなかったりしたが、最近ようやく発送が再開したと語る。

やはり本屋は神保町でなければ・・

これまでのインタビューでベテラン書店人の方々から国内の取引先(大学、図書館など)の厳しい現状を聞いてきた。個人レベルでも文化的価値のある高額な書籍は学生が購入するのは難しく、相手は大学の教員、研究員などに限られる。今回インタビューに応じてくれた東城さんら次を担う世代の人たちは先輩書店人たちからの期待もあるなかで古書店、神保町の在り方をいろいろ模索し続けているにちがいない。

やはり本屋を続けていくうえで神保町でなければいけないなと。お客さんも集まるし、本も集まるし毎日市場に行って何かしらあるので・・と東城さんは語ってくれた。これからどういう情報発信をしていくか?そうした問いにはなかなか一筋縄に答えは出てこない。コロナ禍、一進一退ではあるが少しずつ日常が戻ろうとしているなか、今年10月には神田古本まつりも前回の3年ぶりの開催に続き第62回(10/28-11/3)が行われることになっている。期間中は数十万人が訪れるといわれる東京の目玉イベントのひとつだ。今まで恒例のイベントとしてやれたことができなかったコロナ禍。飲食などはまだ規制があるだろうがなるべく例年に戻そうとしている。神保町の街に活気が戻ってくることでみんなの気持ちを前向きにし、少しずつ先の未来を明るくしてくれることを願ってやまない。期間中、東城さんたち連盟の役員は大忙しだ。

※写真は、(上)清朝末期の子孫繁栄を描いた版画 (下)1550年頃の絵入りの漢籍

最後に一言

目録、通信販売専門ですが、店頭で商品をご覧いただくことも可能です。どうぞお気軽にお問い合わせください。

東城書店東城さん、ありがとうございました!

取材日 2022.8.19 ライター:みずも

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