編集室だより

ニコライ堂

2016年 8月 13日by  島田 敏樹
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夏目漱石の「それから」で、代助が、友人の平岡にニコライ堂の復活祭の話をしていたのを読んでニコライ堂に行ってみたくなりました。

ニコライ堂は、正しくは日本ハリスト正教会東京復活大聖堂と言います。
エルサレムに始まったキリスト教は、ローマ帝国に広がりカトリックとなり、それに抵抗するプロテスタントに分かます。他方で、キリスト教はアジア、ギリシャにも広がっており正教会と言われていました。
その正教会を日本に初めて伝えたのが、ニコライです。
ニコライは、ロシアの神学校で、「日本幽囚記」読んで、
そこに書かれていた高田屋嘉兵衛の人柄にうたれ、日本に行くことを志します。ロシア領事館付の司祭に志願して、北海道函館に行きました。日本に来たニコライは、ニコライさんと言われ日本人に親しまれるようになります。

ニコライが、日本に来たのは明治維新前の文久元年(1861年)です。幕末のその当時函館にも攘夷志士がうようよしていました。沢辺琢磨もその一人でした。

神田岩本町2丁目は、神田祭りの時の町名は、神田松枝町といい、神田祭りで唯一の山車がでる町会です。その神田松枝町のお玉ヶ池の傍に北辰一刀流を編んだ千葉周作の玄武館があり、その千葉周作の弟の定吉の道場に坂本龍馬が江戸で剣術の修行に出ていました。その頃龍馬のいとこで江戸で剣術修行をしていた沢辺琢磨が酔った勢いで、拾った金時計を質に入れてしまいます。
事が露見して、切腹されそうなところを坂本龍馬が逃がします。
江戸から逃げて、沢辺琢磨は函館にやってきました。沢辺琢磨は函館でニコライを斬ろうとしますが、ニコライの話や人格的雰囲気に触れ、逆に洗礼を受けて日本人初の司祭になります。

ニコライの家には、海外へ脱出しようと函館に来ていた新島襄がニコライに日本語と日本文化を教えていました。
そんな新島襄の海外への脱出を沢辺琢磨が助けます。
新島襄は、数年前NHK大河ドラマの「八重の桜」の新島八重の夫です。神田錦町3丁目に生まれ、学士会館の南側に新島襄碑があります。後に同志社大学を創立しました。
そのため、同志社大学は毎年新島襄の誕生日の2月12日に学士会館の碑の前で碑前祭を行っています。
新島襄から、日本語や日本文化を習ったニコライは、一端帰国し財政的基盤をつくった後に、神田駿河台にニコライ堂をつくりました。

この神田駿河台のニコライ堂の建設には沢辺琢磨は尽力します。

ニコライ堂はロシア人シチュルーポフの設計の下、英国人ジョサイア・コンドルによって、明治17年(1884年)に竣工します。

ニコライ堂に行くには、駿河台下から明大通りを御茶ノ水駅の方に行き、日大理工学部の手前の駿河台道灌道を真直ぐ行き、太田姫神社を左に曲り、池田坂を上って行きます。
池田坂のニコライ堂の隣りは昔中央大学があり、この坂は学生で溢れていました。
昭和55年3月中央大学は、多摩に移転し、今では中央大学駿河台記念館になっています。
池田坂をさらに真直ぐ行き、御茶ノ水東口を突き抜けると聖橋に出て、聖橋の右手の井上眼科病院があります。
夏目漱石の独身時代この病院の待合室で、背のすらっとした細面の美しい女性と初恋をします。

この井上眼科病院を通り過ぎ右に曲るとニコライ堂の入り口がありました。

入口から聖堂の左側に事務所があったので、そこに入り売店で「正教会の手引き」を買って、聖堂の拝観の受付はこちらかと聞くと、聖堂の中だといわれ聖堂に入りました。
聖堂の受付で300円払うとロウソクとパンフレットを渡され、ロウソクをロウソク立に立て、聖堂内を見ると、ビザンティン様式の大ドームです
モスクワの赤の広場の聖ワシリイ大聖堂もドームなので、「ドームが正教会の特色なのでしょうか」とガイドさんに聞くと、
「ドームは神父や讃美歌等の声が建物全体に聞こえるようつくられたもので教会の様式ですが、正教会が思いついたものです。」と言われました。

荘厳な空気を感じる大聖堂から外に出ました。

ニコライ堂が建った後、日露戦争が起き、迫害を受けますが、ニコライは帰国せず踏みとどまり、その後生涯ロシアに帰ることなく、明治45年(1912年)日本でなくなります。

ニコライが死亡した後、その翌年の大正2年(1913年)に沢辺琢磨は後を追うように亡くなりました。坂本龍馬によって助けられた命を、龍馬より長く生き、天寿を全うします。

ニコライ堂は大正12年(1923年)関東大震災によって倒壊しますが、昭和4年(1929年)岡田信一郎氏によって復興しました。
その後、ニコライ堂は、戦災を免れ、周辺が再開発により、高層ビルが建てられる中、高層ビルに埋もれるように佇んでいます。

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