編集室だより

茶房きゃんどる

2016年 4月 16日by  島田 敏樹
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神保町に現存する最古の喫茶店「茶房きゃんどる」に行ってみることにしました。
神保町駅のA9の出口から出て、東京パークタワーを左手に進み、東京パークタワー1階の阿波屋酒店の隣の隣が「茶房きゃんどる」です。

「茶房きゃんどる」は、戦前の昭和8年(1933年)にすずらん通り近くで創業しました。
大正13年(1924年)に発表された江戸川乱歩の「D坂の殺人事件」で、明智小五郎が、喫茶店で冷やしコーヒーを啜っていたように、大正昭和初期の1920年代は、喫茶店のブームでした。その少し後の1930年代に創業したのです。

行ってみると、外側は、白い壁にビルの柱の奥に木の扉、扉の右側に木のブックスタンドがありメニューが載っていました。扉の横の白い壁に木の窓枠の窓があり、窓の前にある木製のプランターにアイビーが植えてあります。窓の下は煉瓦でした。窓枠の上にある木の看板には白い文字で「茶房きゃんどる」と書かれています。木の扉と窓の間に柱があり、柱には木製の吊り看板がかかっていました。

「茶房きゃんどる」は戦争で灰に帰しましたが、昭和22年(1947年)創業時の姿で、再建されます。
再建されたころに、すずらん通りの裏通りに喫茶店が次々創業しました。現在の「ミロンガヌオーバ」の前身の「ランボオ」が昭和22年(1947年)に創業され、「ラドリオ」が昭和24年(1949年)ごろ創業され、「さぼうる」が昭和30年(1955年)に創業されます。
その後、神保町に、ルノアール、マクドナルド、ロッテリア、ドトール、スターバック等フランチャイズのお店などが開店しました。

そんな中「茶房きゃんどる」は平成12年の神保町再開発で、取り壊されます。3年間休業し、平成15年東京パークタワー1階に移転し、再建されました。

扉を開けて中に入ると、店内は創業時に近く再現してあり当時の応接間の様です。白い壁の下に木の床、木の椅子と机、椅子には製作年が掘られていました。窓側の近くの真ん中の席の後ろに暖炉があります。木のカウンターは、客席と別れていて、カウンターの奥に、厨房がありました。

窓際の席に座りメニューを見ると、ハウスブレンド、クラシックブレンド等の珈琲、ダージリン、アッサム等の紅茶、ココア、日本茶、ホームメイドケーキ、トーストがあります。
クラッシクブレンドを注文しました。

平成12年の再開発は神保町の風景は一変させます。
巨大なビルの建つ前の飲食店は別の場所で、営業したり、移動してビルの中に入ったり、無くなってしまったお店もありました。

暫くして、ウエーターの人が、クラッシブレンドを持ってきてくれました。創業時のままの香りのある優しい酸味のある味です。

「茶房きゃんどる」は、東京パークタワーに移転しても、昔の面影を残しています。

本稿は、平成27年4月に配信したものを再配信しました。

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