編集室だより

幻想古書店で珈琲を

2015年 12月 5日by  島田 敏樹
コメント:0 トラックバック:0

神保町の三省堂に行って見ると、新刊本コーナーで、「幻想古書店で珈琲を」という文庫本を見つけました。
文庫本の上のPOPを読むと、「三省堂書店の書店員が書いた神保町を舞台とした小説です。」と書かれています。
ぱらぱらめくって読んでみると、どうやらファンタジー小説のようでした。

神保町を舞台とした小説には、八木沢里志さんの「森崎書店の日々」「続森崎書店の日々」(小学館文庫)があります。
ミステリーには、紀田順一郎さんの「古本屋探偵の事件簿」創元推理文庫、七尾与史さん(多部未華子さん主演でテレビドラマ化された「ドS刑事」の原作者)の「すずらん通りベルサイユ書房」光文社文庫、堂場瞬一さんの「夏の雷音」小学館、が神保町を舞台としています。
「夏の雷音」はキッチン南海のカツカレー、うなぎのなかや、スマトラカレーの共栄堂、元祖冷やし中華の揚子江菜館、さぼうるのイチゴジュース等が登場し、ミステリーファンのみならず、神保町ファンも楽しめる小説でした。

神保町を舞台としたファンジー小説は読んだことがありませんでした。

三省堂書店の書店員の方が神保町をどのように描かれるのか興味を持ち一冊とってレジに持っていき、買って読んでみました。

物語は、就職した会社が倒産し、無職となった主人公名取司が、神保町三省堂4階の古書館の奥で珈琲の香に誘われて、珈琲の飲める古書店「止まり木」の扉を見つけたところから始まります。司は「止まり木」で就職が見つかるまでの間アルバイトをします。「止まり木」の店主は魔法使いの亜門で本や人の縁を失った人だけが来店できます。亜門と司によって来店した人の失った縁を紡いでいくお話しです。

この小説に出てくる「止まり木」の扉は実際には三省堂4階の古書館の奥にはありません。
この小説が、ハリーポッターのようにベストセラーになれば、キングクロス駅9と4分の3線のように神保町三省堂4階の古書館の奥は、観光名所になるかもしれませんね。

縁を紡いでもらったお客の支払う報酬はその人の物語、亜門の魔法により、その人の人生が、本になります。

主人公の司は、悪夢をきっかけに、そんな店主の亜門の正体が気になりだします。
ある日、司が、店を掃除しているときに、オペラ座の怪人の本の下にある亜門の物語の本を発見しました。

はたして亜門の正体は?

物語には、山の上ホテルの水出しのダッチコーヒー、須田町の竹むらのクリームあんみつやあげまんじゅう、さぼうるの珈琲、今では食べられなくなった柏水堂のプードルケーキ、ニコライ堂等が登場します。
さらに1912年(明治45年)竣工し、日露戦争の時、船内に取り残された部下を探して戦死した広瀬中佐の像が立っていた頃の万世橋駅が亜門の愛した女の人とともに出てきました。
万世橋駅は、今は改装されて商業施設として蘇らされマーチエキュート万世橋と呼ばれています。

「幻想古書店で珈琲を」蒼月海里著 ハルキ文庫

神保町書店にて販売中

神保町おさんぽ地図

神保町おさんぽ地図はこちら(PDF)

コメント

前後の記事@編集室だより

«
»

トラックバック

この記事のトラックバックURL
https://osanpo-jimbo.com/blog/staff/13997/trackback

「幻想古書店で珈琲を」へのトラックバック: