編集室だより

ロスジェネの逆襲

2015年 11月 23日by  島田 敏樹
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先々月、三省堂に行ったら、1階の文庫本の新刊本コーナーでタワー積となっている文庫本を見つけました。見ると2013年に最高視聴率を獲得し、決めセリフの「倍返し」が流行語大賞に選ばれたテレビドラマ「半沢直樹」の原作「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」の続編「ロスジェネの逆襲」の文庫本の新刊が出たのです。(現在タワー積は「下町ロケット」にとって代わられています。)
バブル期の1988年に夢を抱いて銀行に入行した半沢直樹が、中間管理職としてバブル崩壊の後始末に追われるお話しの続編です。単行本の時に買って読んでなかったので、1冊買って読んでみました。

ロスジェネ世代とは、バブル崩壊後の失われた10年(1994年~2004年)の間に世の中に出た若者のことを言います。
バブルを挟んで、団塊の世代、バブル世代、ロスジェネ世代と呼ばれる世代に分けられていました。
団塊の世代は、高度成長期やバブル期の成功体験を基に事業の拡張や投資を行い、借金や融資を膨らませます。
バブル世代は、バブル崩壊後、団塊世代の事業拡張や投資のため負った巨額の借金の返済や不良債権処理に追われました。
ロスジェネ世代は、バブル崩壊の親の失敗を見て育ったので、事業拡張や投資には慎重にならざるを得なくなります。

そして、大きな組織の中で、上司である団塊世代のやり方が、間違っていると思っても受け入れてしまうバブル世代がいる中で、半沢直樹は、戦っていきました。
テレビドラマでは、融資を急がせ、そのお金を妻に転貸させた香川照之さんの演じる大和田常務の不正を半沢直樹が取締役会で暴き、土下座させます。

そのロケ地となったのが、学士会館の2階でした。
学士会館は、旧帝大7大学の同窓会として、建てられた会館です。神保町A9の出口から出ると、道の向こう側に昭和3年(1928年)に建てられたレトロな茶色の建物が見えます。そこが、学士会館です。
学士会館2階のロケ地は、半沢直樹放送時に、土下座の間と呼ばれてました。

「ロスジェネの逆襲」では、ライブドアの日本放送の買収事件を思わせるIT企業の買収のお話しです。
子会社に出向させられた半沢直樹がロスジェネ世代の森山とともに、IT企業買収案件を横取りした東京中央銀行と戦います。
就職氷河時代のロスジェネ世代の森山は、初めはバブル世代の半沢に反発します。バブル世代は好景気だったというだけで、多量に採用され、上司の言うことをたとえ間違っていても聞いていれば組織に守られる。そのしわ寄せは自分たちにくるのだと

そんな森山を半沢は諭します。「戦え、後10年もすれば、君たちの時代は来る、戦って組織を変えてみろ、正しいことを正しいと言えず、ひたむきに誠実に働いた者が報われない社会はおかしいのだと」。

「ロスジェネの逆襲」
池井戸 潤 著 文春文庫

神保町の書店に販売しています。

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