商店街復活で注目の「おばぁラッパーズ」にインタビュー、活性化の秘密とは? |
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2012年 7月 28日by 竹内みちまろ | ||
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8月25日から公開の沖縄・那覇の栄町市場(さかえまち・いちば)を舞台とする映画『歌えマチグヮー』。マチグヮーとは、沖縄の方言で市場を意味し、一時は取り壊しの危機に瀕した商店街の復活の物語。
その栄町の活性化の象徴ともいえるのが女性歌手グループ「おばぁラッパーズ」(上地美佐子、新城カメ、高良多美子)。栄町をPRするCDも発売中の3人に、栄町市場活性化の歴史と、今後の活動について伺った。
-CDを作ると聞いたとき、何を考えた?
新城「バックコーラスみたいだろうくらいに考えていて、集まったのですが、小さな紙を渡されて、栄町への思いを書いてくださいと言われました。自分たちが歌うとは思っていませんでした。これはだまされたかなと(笑)」
高良「市場の居酒屋さんで撮りました。仕事中、抜けてきたので、早く帰らなきゃと」
上地「でも、2回歌ってOKよ。それで終わり。CDになってる。世の中そんなもんよ!」
-栄町で開催されたお披露目ライブで歌ったときは?
上地「ラップっていうものがわからんから、考えた衣装がこれです」
高良「私は、ラップってどんな服で歌うのか、娘に聞きました」
新城「最初はもう、大変さがわからなかった。歌詞を覚えてるかなと不安だったし、市場の中だったのでドキドキなのか、ワクワクなのか…。入場曲はビートルズにして、恥ずかしかったので、サングラスで顔を隠しました(笑)」
冗談交じりで、次々とトークを繰り出す3人。恥ずかしかったといいつつも、サングラスはオノ・ヨーコを意識したとか。
-栄町市場は、どんな場所?
高良「お年寄りでも歩いて回れるくらいの広さ。お店は100店舗以上あるのですが、市場全体でスーパーマーケットみたいです」
新城「最近は、地元の人で、一時期、ほかのスーパーへ買い物に行っていたけど、また栄町がいいと戻ってきた人が増えています。小さいころに、お母さん、おばあちゃんい連れられて来ていた人たちです」
上地「栄町市場は話題になっていますので、それで来る人も多いと思います。この前も、若い子がいたので聞いてみたら、初めて入ってみたと言っていました。店をやりたくて来る人も多いのですが、いっしょにいるのが楽しいんじゃない。また、よく見てると、2代目、3代目が多いです。おっかあがやってきたことを後ろから見てるから、やってみようと思うのでは。私も自分の娘がいっしょにお店をやっています」
-みなさんにとっての栄町とは?
高良「ふるさと。みんな顔見知りだし、毎日来るおばあちゃんが今日は来ないからどうしたとか」
新城「なつかしい子どものころの、自分の心をいやしてくれる場所。気持ちが穏やかになるし、一つのお家(うち)、一つの家族みたいな感じ」
上地「お店をやっているので、生活の糧。最近は、例えばお祭りをする時もたいへんなのですが、ボランティアも増えています。労力を提供するってたいへんじゃないですか。それでも、惜しみなくやってくれる若い人たちが増えています」
3人は栄町市場の人たちと共に、活性化を学ぶため、長野市、早稲田(東京)、京都、鳥取など、全国各地を視察したという。
-商店街の活性化に必要なことは?
上地「やるという気持ち。あと、続けること。継続は力なり」
新城「誰か一人でも、この商店街を残そうという気持ちを持つ人がいればそれが始まり。あとは、行動と、周囲から同じような気持ちを得ること。そうすれば絶対に、見せられるものがあるし、見えてくるものがある。得るものがある。また、1年や2年でできることではないので、地道にやり続けていくことが大切です。私たちも現在、8年目。活性化は、8年、10年くらいかかるわけ」
高良「6月から10月まで毎月一回、栄町市場で開催される『屋台祭り』は毎月続けているので、来月も来ようってなったり、先月楽しかったって聞いて今月ライブを見に来たりとか。また、実は今、栄町でセカンドステージを作っているんです。今年から始めたことなんですけど、カラオケを利用して、自分たちが中心になって、栄町の商店街の人を楽しませようと取り組んでいます。プラス、来るお客様にも楽しんでいただきます!」
-活動は今後も続けていく?
上地「栄町は、おじいちゃん、おばあちゃんが多くて、高齢で一人ずついなくなっているんですけど、週に3回くらい市場に連れてきている人もいます。そういう人たちは、『歩ける範囲で暮らせなくて“かわいそう”だから』って引っ越したら、逆に、すぐ寝たきりになります」
高良「100歳超えて一人で買い物に来る人もいますよ」
新城「市場を最初に作った時(1949年・昭和24)にお客さんとして来ていたおじいちゃん、おばあちゃんが、90歳とか、100歳を超えている人もいるんだけど、そういった人たちの生活の中に、市場をもう一度、活かしてあげたい。そういう人がみんないなくなったら、おばぁラッパーズを終えようかなとも思っています。私はそのためにやっているのかもしれません」
気さくに話してくれた「おばぁラッパーズ」。現在は、全国各地を飛び回り、7月28日には東京・新宿区で開催の「沖縄音楽フェスティバル」でもフィーバー。街の復活や、現代社会におけるコミュニティーのあり方という点でも、注目の3人だ。(インタビュー・竹内みちまろ)
『歌えマチグヮー』
監督・撮影・編集:新田義貴
出演:おばぁラッパーズ、もりと、栄町市場の皆さま・お客様
製作:2012/日本
時間:89分
公開:2012年8月25日から [シアター]イメージフォーラム(東京・渋谷区) ほか
公式ホームページ:http://utae-machigwa.com/
冒頭写真:おばぁラッパーズと新田義貴監督(竹内みちまろ撮影)
映画場面写真:オフィシャル提供
こんばんは。鳥取県倉吉市の居酒屋で、島唄を歌い、躍り楽しんだのが、懐かしいです。また倉吉市に来てください。一緒に唄い、躍りるのを、楽しみにしています。
By 若木英祐 Date 12/11/11 14:16