故郷、検閲、亡命…この冬話題の映画『汽車はふたたび故郷へ』=岩波ホール |
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| 2011年 12月 1日by 竹内みちまろ | ||
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岩波ホールで2012年2月18日から公開される映画『汽車はふたたび故郷へ』の試写会が都内で開催されました。ソ連時代にグルジアで手がけた『四月』(62年)『落葉』(66年)などの作品が上映禁止となり、活動の拠点をフランスに移したオタール・イオセリアーニ監督の最新作。監督が実人生を主人公に重ねて描いた話題作とあって、多くの報道陣が詰めかけました。2010年カンヌ国際映画祭特別招待作品、2011年アカデミー賞外国語映画賞ノミネート。
『汽車はふたたび故郷へ』は、森の中の隠れ家で、3人だけの試写会を開催する場面から始まります。「誰にも見せちゃだめよ」という女性のせりふは、旧ソ連体制下という社会情勢を考えたときに重みを持ちますが、男性2人は「彼らは芸術や文化など…」「カットしない。それが結論だ」。3人は互いの手のひらをたたき合います。
『汽車はふたたび故郷へ』は、グルジアの牧歌的な風景や、素朴な人々が印象的です。作品の中に何度も登場するのが、幼い3人がタンクローリーを乗せた汽車のはしごに取りついてどこまでも走っていく場面。オタール・イオセリアーニ監督自身は「これは、僕と、僕の同僚たちの物語」とコメントしています。
『汽車はふたたび故郷へ』の主人公は、フランスで映画を製作します。仲間や、配給関係者にも恵まれ、上映することができました。しかし、反応はまったくダメ。うつむく主人公は、「娯楽映画じゃないって、わかってたろ」と、力なく抗議します。
ふたたび故郷に戻った汽車。街は変わっていますが、田園風景と、心を許せる人々は昔のまま。しかし、汽車に乗って未来へ向かっていた幼い3人の姿はもうありません。故郷、検閲、亡命…、たしかに重い歴史はありますが、そういった現実とは別の次元の現象として、監督の中に存在する“何か”が、メッセージとして込められているのではないでしょうか。
岩波ホール:http://www.iwanami-hall.com/contents/top.html
『汽車はふたたび故郷へ』
原題:CHANTRAPAS
製作:2010年/フランス=グルジア
時間:126分
監督・脚本:オタール・イオセリアーニ
出演:ダト・タリエラシュヴィリ、ビュル・オジェ、ピエール・エテックス
後援:グルジア大使館
配給:ビターズ・エンド
公開:2012年2月18日(土)より、岩波ホールにて
公式サイト:http://www.bitters.co.jp/kisha/
(C)2010 Pierre Grise Productions
(竹内みちまろ)
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