神保町在住?HON4946のメタボな日々

20年後の古本まつり

2008年 11月 18日by  HON4946
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今年の古本まつりはほぼ1週間にわたり晴天に恵まれ、近年にない盛況でした。毎年のことながら、戦前の名作“のらくろの全集や有名作家のサイン入り本等、”こんな本があるのか“と思わせるような本は数え切れません。そんな中で、個人的には昨年、“食材使い回し騒動”で話題となった日本料理の名店“吉兆”の創業者湯木貞一氏の“料理全集”に目がとまり、思わず手にとってみました。一連の騒動で嫌気がさし、長年大切に所蔵されてきた家宝のような本が売り飛ばされたのだろうかと、売り主の顔をつい思い浮かべてしまいました。

 古本好きといっても、私のように特に目的もなく神保町界隈をぶらぶら歩き、思いもよらない本との出逢いを楽しみとする、“ブラブラ派”、絶版になった文庫や入手が困難な名作を読むためにひたすら追い求める、“ひたすら探求読書派”、本好きが講じて、手書き原稿や全集、初版本を追い求める“蒐集派”に大きく分かれるようです。

 私は以前は、好きな作家(安部公房や芥川龍之介)の小説を片っ端から読んでいた時期がありますが、それでも“手書き原稿まで手に入れたい”と思ったことは一度もありません。もっとも欲しくても値段が高過ぎて、手が出ないというのが実情ですが・・・でも、“好きな作家の手書きの原稿を入手し、筆圧や字の癖を通じて作家の息づかいを身近に感じたい”という欲求を持つ人がいることは理解できます。

今年の古本まつりの各書店のカタログに目を通すと、三島由紀夫、開高健、太宰治といったところが、“蒐集派”の間の人気作家であるようです。 私の好きな作家は、宮部みゆき(1960年生まれ)ですが、この世代の作家だと20歳代で、ワープロの洗礼を受け、その後、本格的なパソコン時代に突入した世代にあたります。そのため、デビュー時から現在に至るまで、一度も手書きで小説を書いたことがない可能性が大きいです。

 もしかしたら、今から20年後の古本まつりでは、“宮部みゆき「火車」原稿入りFD(ラベルは手書き)あるいは、“宮部みゆきメール全集”のようなものが現在の手書き原稿に代わる存在になっているかもしれません。

  もし、「火車」原稿FDに例えば、2008.11.19着手 11.26加筆 11.30修正,2009.1.30 脱稿のように執筆のプロセスが全て記録されていれば値段は一段と高くなるでしょう。

また、“宮部みゆきメール全集”に、希代のストーリーテラーらしからぬ、“みゆきで~す(^.^)”のようなくだけた表現があったら親近感が増すこと請け合いです。

 20年後の古本まつりで、人気作家の“原稿が収録されているFDやUSB”、“メール全集”といったものが、ン万円の値札と共に古本まつりの目玉商品として古本蒐集家の熱い視線を集めている風景が目に浮かんできそうです。

 

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