本の街・読書人の会

【読書日記005】夏は本でエコな納涼を!-「夏と花火と私の死体」

2009年 8月 8日by  sugiyuzu
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おはようございます。
久しぶりの投稿になってしまいました・・・
ブログは毎日書いているのですが、こちらまで手が回らず申し訳ありません。
本日の1冊はコチラ↓

夏と花火と私の死体 乙一 集英社文庫

すごいタイトルですが・・・
以前書いた「GOTH」「平面いぬ。」 の作者・乙一のデビュー作。
これを書いたとき、まだ16歳というから驚きです!

上記2冊を読んだとき、何名かの友人に薦められた1冊。
その期待を裏切らない作品でした!

ある夏休みの1日。
五月ちゃんは、友人の弥生ちゃんに殺されてしまいます。
享年9歳。
でもこれは、物語の始まりでした。

話は、死んだ五月ちゃんの目線で進んでいきます。
なぜなら、殺した弥生ちゃんと兄の健くんが、五月ちゃんを隠して回る
ため、いろんな行動を取るからです。
一言で言えば、殺人と死体遺棄という犯罪です。

溝の中に隠したり、自分の部屋に連れていったり。
田んぼの稲の中にも隠します。
それでも見つかりそうになり、神社の大きな穴の中に隠そうとして・・・
そこから、意外な展開が待ち受けています。

乙一の作品は、奇抜な舞台設定に驚きのオチという
二重の読み返したくなる仕掛けがあります。
今回も、小学生の殺人と死体遺棄という設定。
しかも死んだ少女の目線で話が進みます。
そして、予想外のオチで追い討ちをかけます。

正直、怖いというか気持ち悪いというか・・・
夏にぴったりな鳥肌モノの作品なんです。
でも途中から、違った感じを持ちながら読んでいました。
それは、あまりに安易で大胆な行動に、
「死体がバレちゃう!」というハラハラ感を持ちます。

最初の「怖い」というドキドキ感から、
「見つかってしまう」というハラハラ感に、
気持ちがすり替わっていきます。
それに気づいた瞬間、「すごい!」と素直に思いました。

どの辺りから、そんな気持ちになったのか?
と、改めて読み返してみると・・・
私はこの場面からでした。

最初、裏山の溝に隠した死体でしたが、警察に見つかりそうになります。
そこで死体を、自分の部屋に運んだのです!
普通にお母さんが入ってきますが、まだこの場面ではありません。
部屋に、親戚のお姉さんが入ってきたとき。
ここです。

詳しくは読んでみてほしいのですが、読み返してみると明らかに
おかしいというか、意図的な文章があるんですよ。

「そのまま三十分ほど経過した頃だろうか、
暇な緑さんはわたしの話を始めた。
『ほんと、五月ちゃんどうしちゃったんだろ。無事だといいんだけどな』
二人の勉強する姿を見ている、というより観察している。
微動だにしない健くんと対照的に、弥生ちゃんの肩がほんの少しぴくりと動く。
緑さんはそれを見逃さない。
その黒い瞳は無表情に二人に圧力をかけていた。」(P76)

実は、勉強を教えているくだりの中での一幕です。
五月ちゃんの話が出ること自体は不自然じゃありませんが・・・
あまりに深入りするので、一気に心が兄妹へ移っていく感じがしました。

こういう心の持っていき方が、とても上手いな~と思います。
私の中では、ホラーからミステリーに変わりました。

ようやく暑さがやってきた今年の夏。
読書で涼しくなりませんか?
今週末は、乙一でエコな納涼を!

————————-

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コメント

  1. はじめまして。実は神保町には行ったことのない私。でも、近いうちに行ってみたいと思って、このサイトを見つけました。
    で、夏と花火と・・図書館で探して借りて・・一気に読みました。なるほど、こういうことですか!
    いままで、こういう本は読んだことがなかったので、目からウロコ、そしてちょっと寒くなりました。

    By misty Date 09/08/16 20:58

  2. mistyさん、はじめまして!
    コメントありがとうございます。
    そして、早速本も読んで頂き嬉しいです!!

    まず図書館にこの本があることを初めて知りました。
    今はいろいろ揃ってるんですね。

    >いままで、こういう本は読んだことがなかったので、目からウロコ、そしてちょっと寒くなりました。

    少しでもお役に立てて、エコ納涼になれたら幸いです。
    今後ともよろしくお願いします!

    By sugiyuzu Date 09/08/16 21:03

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