本の街・読書人の会

【読書日記001】「リレキショ」 中村航 河出文庫

2009年 5月 4日by  sugiyuzu
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お久しぶりになってしまいました。sugiyuzuです。

使い方に慣れず、なかなか更新できませんでした・・・

さて、普段は別のブログで読書やグルメを中心に書いています。

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こちらにも、本の記事を中心に書いていきたいと思います。

では読書日記の第1弾はコチラ。

「リレキショ」 中村航 河出文庫

タイトルからして、1冊目に相応しい本かなって思いました。

では、内容に入ってみます。

ある日突然、姉弟になった。

そんな話はリアリティがないけど、何だか自分に重なり合う部分がある。

非日常の中に日常を見つける、そんな本です。

小説は非日常だからいい。

でも、そんな中に、ふと現実味を帯びた部分があると、

それが共感を生むのだと思います。

「大切なのは意志と勇気」

主人公・半沢良は、ある日突然「半沢良」になった。

「姉さん」に拾われて、家にやって来た日から。

そんな良が、アルバイトをすべく履歴書とリエキショを書く場面から始まる。

履歴書は文字通り、普通に自分の情報を書く用紙。

もう1つの「リレキショ」は、自分が自分が書きたいように書いたもの。

まさに「意志と勇気」が込められている。

程なく近所のガソリンスタンドで、アルバイトを始めることになった。

そこには思わぬ展開が・・・

近所に住む浪人生「ウルシバラ」とい女性から、突如もらったラブレター。

不思議な出会いに、心から応援したくなる。

結局、良はどうやって姉さんの元に来たのか。

そして、ウルシバラとはどうなるのか。

始まりも終わりもない物語。

でも不完全燃焼感はなく、とてもホッとした気持ちになります。

それは恐らく、この本の世界観のおかげだと思います。

私は、小説を読むと色とりどりの世界が頭を駆け巡ります。

ビジネス書だと中立で、白黒に近いイメージ。

でも「リレキショ」は、カラー+音のある世界。

一番好きな部分を引用します。

「森閑としたこの時間帯が、僕は好きだった。

一人になってしばらく経つと、ふと、僕を取り囲む空間から音が消えた

ことに気付く。突然降ってくる無音。

僕は耳を澄ましてそれを聴く。

車の連続的な騒音に慣れた耳には、無音のほうが

聞こえる対象になっているのだ。

呼吸音。今、僕の呼吸音だけが世界の音の全てだった。」

これは、すごく解る世界です。

街を散歩したり、景色を眺めたりしていると、私はしばしばこの感覚に

襲われます。

音というのは不思議で、聞こえているけど聞こえないことがあるように

思うのです。

無音の中にある音の世界。

読書という行為は基本的に無音ですが、その中にも音の世界があります。

「リレキショ」には、いろんな音が奏でられているように聞こえるのです。

少し話を変えると、この本で一番重要なのは冒頭の一言。

「大切なのは意志と勇気」

この本では、主人公の良だけでなく、彼を取り巻く2人の女性がこの

「意志と勇気」を実践しています。

姉さんは拾いクセがあって、良も拾ってくてしまう。

ウルシバラは、近所のガソリンスタンドの店員に手紙を書く。

この2つは、良の運命を大きく動かす出来事。

世界は変わらず動くけど、良を取り巻く世界だけが少し動きを変えます。

ここから学ぶべきことは、

「人は出会うべくして出会う」ということではないでしょうか。

そうでなければ、この2つの出来事は証明できません。

世界を動かす「意志と勇気」が伝わればそれでいい。

だから、過去でもなく未来でもなく「現在」の良だけが描かれている。

私は、そう思いました。

現実にはありえない話ですが、妙なリアリティを感じる本。

読みやすくてサラッと読めるのも魅力的。

ぜひゴールデンウイークのお供にどうぞ。

—–

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