映画の街・シネマクラブ

1月公開映画『“私”を生きる』、土井監督と出演者が記者会見

2011年 12月 15日by  竹内みちまろ
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 「教育現場での言論と思想の統制」に抗う教師たちの活動を描いたドキュメンタリー映画『“私”を生きる』(1月14日公開)の試写会が15日、都内で開催され、上映後、土井敏邦監督、出演者で元教員の土肥信雄さん、根津公子さん、教員の佐藤美和子さんが記者会見を行いました。

 教育現場で進んでいるという統制や現在の社会のシステムらに危機感を持った3人の活動や体験を記録した同作は、都内の朝の風景が映し出されることで始まり、停職処分への抗議として「校門登校」を続ける根津さんへ、登校する生徒たちがあいさつを返したり、目をそらしたりする姿などが描かれています。

 根津さんは卒業式・入学式での君が代斉唱時の不起立に対する処分をはじめとし、複数回の懲戒処分を受け、佐藤さんは「日の丸が掲揚されても決して強制はされず自由です」というメッセージを伝えるためのピースリボンに似た手作りのリボンをつけて式典に出席したため訓告処分を受けました。土肥さんは現在、「学校の言論の自由」と「非常勤教員不合格」について東京都に損害賠償を求め訴訟中。

 会見では、出演者と監督がテーマなどについて語り、質疑応答が行われました。

 キリスト者である佐藤さんは、「信念」をまげて学校の式典で君が代を弾いたら、「生徒たちに、『先生でもがまんして弾いていたんだ』というメッセージを送ってしまうのかなと思い拒否しました」と心境を語りました。現在は、「もし、座っている人がいてもその人が選んだんだよ」と生徒には教えており、「君が代は音楽の授業で必ずやるようにしています」と語りました。

 70年安保の時代に東大生だった土肥さんは、全共闘運動には、思想的には共感していた面もありますが、「暴力」という手段に賛同できず参加しなかったといいます。しかし、「東大=社会のシステム」という考えのもと東大を去って行った学生や、卒業後に入社しその後退職した商社時代に起因する「負い目」などを持っており、例えば「談合」などの問題に直面した時に、「お前はどうする?」という疑問を自分へ向けていたことを明かしました。

 今年3月に定年を迎えた根津さんは、この日の試写会が定年後初の同作鑑賞。在職中に見た時とは作品が違って見えたことを告げ、子どもたちに直接焦点をあてた映画ではありませんが、作品を通して「子どもたちがどんな状態に陥っているのか」を見てほしいと語りました。

 土井監督は、同作を、鑑賞者自身がスクリーンに映し出される出演者たちの姿を見ながら「お前はどう生きるんだ」と問われる作品と紹介し、鑑賞者が何かを感じたらそれは出演者の「3方の人間としての力です」と語りました。

『“私”を生きる』
監督:土井敏邦
製作:2010年/日本
時間:138分
公開:2012年1月14日から1月27日 オーディトリウム渋谷にて

竹内みちまろ


 

 

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コメント

  1. きっと佐藤さんはカソリックではないんでしょうね。

    ローマカソリックの総本山であるバチカンは公式声明として、靖国神社への参拝なども認可してますし、儀礼として起立することや、伴奏することも認可してますよ。

    By えまのん Date 11/12/16 9:46

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